生コメンタリー上映舞台挨拶のオフィシャルレポートが到着
11月26日(火)に開催された『映画 ギヴン 海へ』生コメンタリー上映舞台挨拶に
佐藤真冬役の矢野奨吾、中山春樹役の中澤まさとも、鹿島 柊役の今井文也、村田雨月役の浅沼晋太郎、
そして主題歌を担当したセンチミリメンタル・温詞が登壇。
本編の上映に先立ち、生コメンタリー上映舞台挨拶が初という矢野から、
「大切な映画を観ながら話をしていいのかな?という気持ちもありますが、最後までついてきていただけたら嬉しいです」と挨拶が。
矢野以外にも、生コメンタリー上映はあまり経験がない登壇者の中で、
温詞は「僕だけミュージシャンという立場で…どういう感じで話したらいいのか」と緊張を露わにした。
既に複数回映画を鑑賞済みのお客様が多数を占める中、客席には数名、今日が初めての鑑賞だというお客様も。
登壇者からは口々に「いやいや!絶対にお口直し(改めてじっくり鑑賞)してくださいね!」と添えられると共に、
「はい、それでは『映画 ギヴン 海へ』上映します。楽しんでくださいね!」という矢野の合図で、上映は始まった。
冒頭から少しシリアスなシーンが続く本作。
作品タイトルが映し出されると、「これは、(コメントせずに映画に)見入ってしまう…!」というキャストの声が。
由紀の母・冴子が、由紀が亡くなる前にカップラーメンを大量にネット購入していたことを真冬に告げるシーン。
温詞はこのシーンが印象に残っているようで、
「食べ物ひとつで日常から、死という“現実味の無い話”を演出してしまうところが凄い」と、
初の映画鑑賞時、この冒頭シーンで泣いたことを明かした。
キャストの多くが反応を示したのが、真冬が立夏に“さみしい”“あいたい”と連絡をし、夜の公園でふたりが会話をするシーン。
真冬に促され、立夏が隣にそっと座るシーンでは「ここ好き!」、
そして立夏の肩に真冬が自身の頭を置くと「ここはもっと好き!!」という反応が飛び交う。
TVアニメからさかのぼり、「とにかく成長した」と登壇者一同が立夏を称え、悩む立夏には「頑張れ!」と、客席からも声が上がった。
真冬が悩み葛藤するシーンでは、スクリーンに映し出される真冬に、矢野が優しく「大丈夫」「頑張って」と語り掛ける様子も見られた。
シーンは移り、春樹と秋彦が映し出される。
お馴染みにもなりつつある秋彦が作るチャーハンは、本作で更に腕に磨きがかかっており、
その成長の様子を感慨深げにキャストが話題にあげる。完成したチャーハンが差し出されると、
中澤の掛け声を合図に、会場から「いただきます!」という声が上がった。
また、この生コメンタリー上映に際して、中澤の「今日、『映画 ギヴン 海へ』1本決めてきている(鑑賞してから舞台挨拶に挑んだ)んで!」
という意気込みに、浅沼が「エナジードリンクみたいに言わないで!」と突っ込む場面もあった。
そして、柊、玄純、立夏がスタジオに集まるシーン。
「やっぱり音楽スタジオは高校生には費用的にきついものなのか?」という質問が上がる。
温詞によると、時間によって料金体系は異なるものの、
彼らが学校の放課後に集まっていることなどを鑑みると、一番高い時間なのではないか…?と予想し
「高校生にとっては相当きついと思いますね」と話す。
更に、曲作りに関して話が及ぶと、自身の経験として「とにかくボイスメモを残す」と明かし、
続けて「良いものでもそうでなくても、とにかく残しておき、使われていないものも大量にある。
その中で、何年も経て曲が出来上がることもある」というエピソードが飛び出すと、キャストそして客席からも驚きの声が漏れた。
真冬と雨月が出会うシーンでは、雨月はどんどん成長している感じが伝わるというトークが展開。
浅沼から「秋彦が雨月を見たときに、ちょっと“ズキッ”という気持ちになるような…でかい魚を逃したなという想いでしょうかね…」
という言葉が出ると、すかさず中澤が「(秋彦を)そんな気持ちにはさせません!!」と差し込む一幕も。
続けて、中澤は「僕が言うのも本当になんですが、雨月には幸せになってもらいたいですよね」と自身の気持ちも添えた。
また、雨月と真冬の関係性についても、「このふたりはきっとこの先もいい関係で、ちょくちょく会っていくんじゃないんだろうか」と話が弾んだ。
そして「syh」のライブシーン。
「海へ」の歌唱シーンでは、それまで飛び交っていた登壇陣の会話も静まり、
矢野が時折、音楽に身を任せるかのように体を揺らしながら音楽を味わっている様子も見られた。
また、2022年くらいから「海へ」の構想を描き始めたという温詞に浅沼は、
雨月はどのバンドにも所属していなかったが、歌詞に「雨」という言葉が入っていたことに、嬉しさを覚えたことを伝えた。
続く「ストレイト」の歌唱シーンでは中澤と浅沼が手を大きく上にあげ、リズムに乗って楽しむ様子が見られ、
その後の「冬のはなし - with立夏ver.-」が流れる「ギヴン」のライブシーンでは今井が音楽に身を任せて楽しむ様子も見られた。
物語も終盤。
「ずっとぜんぶこのままならいいのに」という本編での真冬のセリフに関して、アフレコ時の印象が強く残っているという矢野。
最初はもう少し前向きな気持ちで芝居をしてみたものの、現場で
「真冬は前向きというよりも、いつかはこれもなくなってしまう…という気持ち」と演出が加わり芝居を変えたというエピソードも明かした。
そして、エンドロールと共に主題歌「結言」が流れると、楽曲の成り立ちの話に。
元々は9年前にセンチミリメンタルが作成していた楽曲だが、
楽曲ラストに流れる「ららら~」のコーラス部分は当時のデモテープの音源がそのまま使われているという。
さらに「『結言』の一人称の“ぼく”がひらがなで表されているのが真冬たちの等身大の言葉のように受け取っていました」
と話す矢野に対し温詞は、難しい言葉を極力使わないように特に気を付けている楽曲だと伝えていた。
上映後の挨拶では、追加公演を残して一旦年内の『ギヴン』ライブを納めた今井は「個人的に凄く『ギヴン』ロスで…。
体が求めているんです。『ギヴン』を。改めて自分の中で凄く大事な作品だと思っています」と作品への想いを改めて伝えた。
矢野は、『映画 ギヴン 海へ』の収録に際して、初めて原作の最終巻を読んだことに触れ、
「読んでしまったら終わってしまう、そんな気がして読めなかった」と話した。その上で、
「毎度『映画 ギヴン 海へ』を観る度に、たくさんの人が携わって作品がつくられて、支えられてここにいるんだなと映画館で感じていました。
10年後の彼らを描いた作品をまだ怖くて読めていないけれど、
またいつか、『ギヴン』に会えたら嬉しいと思っています」と想いの丈を伝え、生コメンタリー上映舞台挨拶は終了した。