沖縄アニメーションフェスティバル2026 オフィシャルレポート
1月24日(土)~25日(日)に開催された沖縄アニメーションフェスティバル2026に
伊藤智彦監督、若林プロデューサー、藤井アニメーションプロデューサーが登壇。スペシャルトークショーを実施いたしました!
オフィシャルレポート、ぜひご覧ください。

原作小説との出会いから映画完成まで
伊藤智彦監督&若林プロデューサー&藤井アニメーションプロデューサーが制作秘話を語る
日本最南端のリゾート地・沖縄にエンターテイメント会社や制作会社、人気声優が集結し、
特別な体験を提供するファンミーティングイベントに今週末に公開を控えた『クスノキの番人』が参加!
伊藤智彦監督とプロデューサーを務めた若林豪(司会)、藤井翔太が登壇し、製作にまつわる秘話を余すところなく伝えた。
まずは、本作と監督の出会いについての話題から話がスタートした。
プロデューサーを務めた若林からの「監督の本作を読んでの印象はどのようなものだったのでしょうか?」の問いかけに、
伊藤は「東野圭吾さんの作品は一般的にも、殺人事件が起こる作品が多いですよね。
でも『クスノキの番人』はそういう話ではなく、ほぼ人は死なない話です。
昨今のアニメーションで描かれがちなバトルあり、爆発あり、異世界ありという話では決してないのですが、
だからこそ見栄えのする作品にしようと思い取り掛かりました」と回答。

制作を担当したA-1 Pictures / Psyde Kick Studioのアニメーションプロデューサーの藤井は
「自分がこの作品に関わったのは伊藤監督が絵コンテを書き終えられた段階でした。
元々ミステリーが大好きで東野圭吾さんの作品をアニメーション化できることは嬉しかったです。
監督も仰る通り、大きな事件が起きる内容ではありませんから、皆さんに見えてもらえる作品にするにはどうしたらよいのか、と思いながら携わってきました。
伊藤監督の絵コンテには、ご自身がやりたいことが込められていたので、それをしっかり形にしようと。
予告編を見ていただいてもわかる通り、少しタッチの違うアニメーションの絵が一部出てきますよね。
映像に緩急をつけるためにアタックになるようなこういったシーンがあるのかなと思っています」と話した。
それに対し伊藤も「商業的なアニメーションを作り続けていると、どうしても同じような表現方法を取り入れることが多いのですが、
違うテイストにチャレンジしてみたいのも目論見の一つでした」と本作で工夫した表現方法を明かした。
次に脚本についての話題に。
伊藤は「この映画を2時間以内に収めようと思いました。2時間という数字には色々な意味があるのですが、
そこを大前提に原作のエッセンスを残しながら映画化していく作業を試行錯誤しました。
なるべく主人公にフォーカスが当たるように、2時間を超えないように…。
予告編を見ていただいても感じると思うのですが、主人公・玲斗はヒーロー然としておらず、むしろ伯母さんである千舟の方がヒーローみたいなんです。
その関係性を大事に、ちょっと情けない玲斗がストーリーを通して成長していく様を見せようと心がけました」と話す。
その上で絵コンテを作成されたそうで、
「絵コンテとは、実際にこの脚本がどういう画になるか、どういったセリフをどんな動きで…という設計図みたいなものです。
脚本に書かれていなくても、絵コンテを作る段階で特徴的なしぐさや台詞を付け足すこともあります。
玲斗の少しひ弱なところや、おどおどした感じを出すために本編で描かれている胸を“とんとん”と叩くしぐさを足したりしました。
絵コンテの分量は30分のTVアニメーションだと大体100ページくらい、映画だと600ページくらいになります。
それをずっとひとりで書いては皆に見てもらい、意見を貰って書き直す、、、ということをしていました」と言い、
若林も「確かに暫くの期間、絵コンテをあげては様々な人に見て貰って感想を貰い、それを修正反映していた印象がある」と当時を振り返った。
さらに、「絵コンテとは言え、それが面白くなければ映画は面白くなりません。ですのでなるべく考え続けることが重要です。
新海誠さんも自分の絵コンテを映像化し、全部のセリフを自分で入れて音楽も入れて、何度も推敲するという話を聞いたことがあり、自分も真似をしてみました。
女性の気持ちになって、千舟役の天海さんだと思って台詞をいれました。台詞は声に出してみないとわからないんです」と伊藤。
藤井は「そうして作られた絵コンテを見て、気になるところ、途中参加だから気づくことを監督に伝えていきました。
改稿を重ねられたのは一緒に作り上げていく感じもあって嬉しかったです。作画に入るまでに時間があった上に、伊藤さんは判断が非常に早い。
普段絵コンテが出来上がっていると変えにくい事を調整する時間が作れました。
東野圭吾さん原作の持つ良さをしっかり詰め込むことに苦心しました」と制作過程での心境を伝えていた。

絵コンテが終わると作画作業に。まずはキャラクターデザインについて。
今回、ブルーピリオドの原作・山口つばささんとアニメーターの板垣彰子さんの2名が担当していることについて、
伊藤は「小説には挿絵が無いので、キャラクターの作り込みは自由度が高いです。東野さんからも『好きにやってください』
と言ってもらえていたので、漫画っぽい要素があるといいなという希望は初期から持っていました。
ブルーピリオドの高い画力がいいなと思っていて、オファーしてみたら受けていただけたんです。
最初に上がってきた絵から既に画力が高かった。背中の描写が、画力のあるデッサンをしている人のそれで。
板垣さんに関しては、比較的まだ若い方。新たなスターを発掘したい思いもあってお願いしました」と2人への依頼の経緯を話し、それぞれの役割については、
「原案に近いところを山口さんに、板垣さんには実際にアニメーションとして使うときの設定を描いてもらうような分担です。板垣さんには総作画監督も担っていただきました。
各々のアニメーターから上がってくる絵を、自分がデザインしたキャラクターにより近づけるために修正していただく役割です。
見栄えを直すだけではなく、動きやキャラクター性など様々なところを見ていただき、しっかりこだわって作ってもらいました」と藤井が明かした。
どれくらいの枚数の絵を描いたのかを問われると、約6万枚だという。
伊藤は「TVアニメだと1話数につき4,000~5,000枚くらいが相場なのですが、それと比較すると物凄い密度」と言い、
藤井も「キャラクター数が多い場合や、アクション・バトル作品は動きがあるのでアニメーションの枚数が増えがちですが、この作品はそういうことではない。
それでも芝居が丁寧に描かれているので必然的に枚数が多くなったのだと思います」と語っていた。
また劇中の美術も非常に魅力的に描かれており、それに対し伊藤は「滝口さんは新海監督の『天気の子』などを手掛けています。
この作品では間違いなく“クスノキ”がキーポイントになります。
これに興味を持って描いていただける方がいいなと考えいて、滝口さんが乗ってくださりました。
最初の美術ボードが上がってくるまでに相当な時間を要したのですが、ご自身でロケハンに行き試行錯誤を繰り返してくださった。
時間はかかりましたが、おかげで素晴らしいものが上がりました。全編を通して本当にご尽力いただきました」と気持ちを表していた。

続いてキャスティングの話に及ぶ。
本作はメインキャストに俳優を起用しているが、それに対し伊藤は「自分が担当する作品は、わりと実写の方にお願いすることが多い。
主人公の玲斗を演じた高橋さんは長編アニメーション映画で主演を務めるのは初めてですが、
非常に前向きに役に取り組んでいただきました。ありがたいという思いしかないです。
天海さんは原作を初めて読んだ時から、『千舟は天海さんだ』と思っていました。
既にアニメーションの声優もいくつかやられていますが、実際にアフレコをした後も間違いはなかったと思っています」と
玲斗役・高橋さんと千舟役・天海さんへのキャスティングについて話す。
続けて、「齋藤飛鳥さんと宮世琉弥さんはオーディションで・・・というと
『実際にはオーディションじゃないでしょう』と言われがちですが、本当にオーディションをしました。
ここは声を大にして言いたい…(笑)特に齋藤飛鳥さんご本人は完成披露試写会でも『手ごたえが無かった』と仰ってましたが、
キャラクター性が合っていてとても上手でした」と優美役・齋藤さんと壮貴役・宮世さんのオーディションについても触れた。
藤井も「皆さんそのキャラクターにしか見えなくなるほどぴったりですよね。作品に合っていたと思います。
高橋さんが実際にアフレコ収録重ねながらどんどん成長されている様子も、玲斗の成長と合っていてまたそれも良かったと思います。
優美は少し気が強いキャラクターではありますが、嫌味が無くてとてもはまっているという声が多いですね」と、
公開に先駆け行った試写会での感想の声も交えて話し、若林からは「『この皆さんなら実写でも見てみたい』と思ってしまいますよね。
声だけではなくキャラクターそのものを体現している方々だと思います。
大沢たかおさんは、演じられているキャラクター自体は普通の“おじさん”に見えるのですが、
この人にも“秘密”があって、大沢さんが演じられることによってミステリアスさが加わります」と寿明のミステリアスさにも言及した。

また今回変わった収録方法も取り入れており、「今回音響監督も兼任し、普通ではあまりやらない方法で収録もしました。
アニメーションを作っている時にいいサプライズやアクシデントが起きることは少ないのですが、
高橋さんと天海さんの“あるシーン”のアフレコ中に少しだけ物足りなさを感じたことがありました。
そこで、実際の役者さんですから、向かい合って台詞を言ってもらったらよいのではないか?と思って実践したんですね」と
伊藤は普段あまり行わない手法でアフレコしたことを明かし、それが本編にいい影響を与えたという。
「千舟の一人称「わたくし」を天海さんが一か所だけ「わたし」と間違えて読まれました。
台本のセリフとは違うのですが、もしかして素の心が現れたからかもしれないと思い、「台本とは違いますが良しとします」と言ったら、
背後から「僕もこちらの方がいいと思います」という声が聞こえて。それが、原作の東野圭吾さんで…(笑)
「やった!」という気持ちでした」と貴重なエピソードを披露した。
そして主題歌「傍らにて月夜」の話題に。
若林が「本楽曲はUruさんに歌唱いただき、back numberさんに作っていただいた楽曲」と改めて紹介。
“特別な組み合わせがいい”という話をしていたという伊藤は、
「Uruさんのデビューにまつわる話(Uruがback numberの曲をカバーしYouTubeにアップしていた動画がデビューのきっかけの一つとなった)をお聞きして、
凄く良いなと感じました。楽曲制作の前に直接清水さんと話をする時間も作っていただきありがたかったです。
やはり映画の最後に流れる楽曲なので、作品と合っていてほしい。
エンディングの前の感情も説明した上で、作っていただいた。本当にあっている楽曲になっています」と楽曲の制作秘話を明かした。
最後に本作について。
若林が「間もなく公開となる本作ですが、私も本編のチェック中に泣けてきて見られないこともありました」と制作段階で涙が溢れてしまったことを明かすと、
伊藤と藤井は、“それはちゃんと見てください(笑)”というツッコミを入れる場面も見られた。
さらに藤井は、「でも、全編通してこだわって作られた作品です。昨今流行っている作品とはテイストが少し異なりますが、
どの年代の方が見ても楽しんでいただける作品になっていると思います。
劇場の大きなスクリーンと音響で見ていただく意味がある作品になっています。是非、劇場でご覧ください」と続けた。
伊藤は「言いたいことは全て言われてしまいましたが…(笑)
是非、二度三度見ていただけるとありがたいです。宜しくお願いいたします」と会場のお客さまに思いを伝え、トークショーは終了した。
伊藤智彦監督、若林プロデューサー、藤井アニメーションプロデューサーが登壇。スペシャルトークショーを実施いたしました!
オフィシャルレポート、ぜひご覧ください。
原作小説との出会いから映画完成まで
伊藤智彦監督&若林プロデューサー&藤井アニメーションプロデューサーが制作秘話を語る
日本最南端のリゾート地・沖縄にエンターテイメント会社や制作会社、人気声優が集結し、
特別な体験を提供するファンミーティングイベントに今週末に公開を控えた『クスノキの番人』が参加!
伊藤智彦監督とプロデューサーを務めた若林豪(司会)、藤井翔太が登壇し、製作にまつわる秘話を余すところなく伝えた。
まずは、本作と監督の出会いについての話題から話がスタートした。
プロデューサーを務めた若林からの「監督の本作を読んでの印象はどのようなものだったのでしょうか?」の問いかけに、
伊藤は「東野圭吾さんの作品は一般的にも、殺人事件が起こる作品が多いですよね。
でも『クスノキの番人』はそういう話ではなく、ほぼ人は死なない話です。
昨今のアニメーションで描かれがちなバトルあり、爆発あり、異世界ありという話では決してないのですが、
だからこそ見栄えのする作品にしようと思い取り掛かりました」と回答。
制作を担当したA-1 Pictures / Psyde Kick Studioのアニメーションプロデューサーの藤井は
「自分がこの作品に関わったのは伊藤監督が絵コンテを書き終えられた段階でした。
元々ミステリーが大好きで東野圭吾さんの作品をアニメーション化できることは嬉しかったです。
監督も仰る通り、大きな事件が起きる内容ではありませんから、皆さんに見えてもらえる作品にするにはどうしたらよいのか、と思いながら携わってきました。
伊藤監督の絵コンテには、ご自身がやりたいことが込められていたので、それをしっかり形にしようと。
予告編を見ていただいてもわかる通り、少しタッチの違うアニメーションの絵が一部出てきますよね。
映像に緩急をつけるためにアタックになるようなこういったシーンがあるのかなと思っています」と話した。
それに対し伊藤も「商業的なアニメーションを作り続けていると、どうしても同じような表現方法を取り入れることが多いのですが、
違うテイストにチャレンジしてみたいのも目論見の一つでした」と本作で工夫した表現方法を明かした。
次に脚本についての話題に。
伊藤は「この映画を2時間以内に収めようと思いました。2時間という数字には色々な意味があるのですが、
そこを大前提に原作のエッセンスを残しながら映画化していく作業を試行錯誤しました。
なるべく主人公にフォーカスが当たるように、2時間を超えないように…。
予告編を見ていただいても感じると思うのですが、主人公・玲斗はヒーロー然としておらず、むしろ伯母さんである千舟の方がヒーローみたいなんです。
その関係性を大事に、ちょっと情けない玲斗がストーリーを通して成長していく様を見せようと心がけました」と話す。
その上で絵コンテを作成されたそうで、
「絵コンテとは、実際にこの脚本がどういう画になるか、どういったセリフをどんな動きで…という設計図みたいなものです。
脚本に書かれていなくても、絵コンテを作る段階で特徴的なしぐさや台詞を付け足すこともあります。
玲斗の少しひ弱なところや、おどおどした感じを出すために本編で描かれている胸を“とんとん”と叩くしぐさを足したりしました。
絵コンテの分量は30分のTVアニメーションだと大体100ページくらい、映画だと600ページくらいになります。
それをずっとひとりで書いては皆に見てもらい、意見を貰って書き直す、、、ということをしていました」と言い、
若林も「確かに暫くの期間、絵コンテをあげては様々な人に見て貰って感想を貰い、それを修正反映していた印象がある」と当時を振り返った。
さらに、「絵コンテとは言え、それが面白くなければ映画は面白くなりません。ですのでなるべく考え続けることが重要です。
新海誠さんも自分の絵コンテを映像化し、全部のセリフを自分で入れて音楽も入れて、何度も推敲するという話を聞いたことがあり、自分も真似をしてみました。
女性の気持ちになって、千舟役の天海さんだと思って台詞をいれました。台詞は声に出してみないとわからないんです」と伊藤。
藤井は「そうして作られた絵コンテを見て、気になるところ、途中参加だから気づくことを監督に伝えていきました。
改稿を重ねられたのは一緒に作り上げていく感じもあって嬉しかったです。作画に入るまでに時間があった上に、伊藤さんは判断が非常に早い。
普段絵コンテが出来上がっていると変えにくい事を調整する時間が作れました。
東野圭吾さん原作の持つ良さをしっかり詰め込むことに苦心しました」と制作過程での心境を伝えていた。
絵コンテが終わると作画作業に。まずはキャラクターデザインについて。
今回、ブルーピリオドの原作・山口つばささんとアニメーターの板垣彰子さんの2名が担当していることについて、
伊藤は「小説には挿絵が無いので、キャラクターの作り込みは自由度が高いです。東野さんからも『好きにやってください』
と言ってもらえていたので、漫画っぽい要素があるといいなという希望は初期から持っていました。
ブルーピリオドの高い画力がいいなと思っていて、オファーしてみたら受けていただけたんです。
最初に上がってきた絵から既に画力が高かった。背中の描写が、画力のあるデッサンをしている人のそれで。
板垣さんに関しては、比較的まだ若い方。新たなスターを発掘したい思いもあってお願いしました」と2人への依頼の経緯を話し、それぞれの役割については、
「原案に近いところを山口さんに、板垣さんには実際にアニメーションとして使うときの設定を描いてもらうような分担です。板垣さんには総作画監督も担っていただきました。
各々のアニメーターから上がってくる絵を、自分がデザインしたキャラクターにより近づけるために修正していただく役割です。
見栄えを直すだけではなく、動きやキャラクター性など様々なところを見ていただき、しっかりこだわって作ってもらいました」と藤井が明かした。
どれくらいの枚数の絵を描いたのかを問われると、約6万枚だという。
伊藤は「TVアニメだと1話数につき4,000~5,000枚くらいが相場なのですが、それと比較すると物凄い密度」と言い、
藤井も「キャラクター数が多い場合や、アクション・バトル作品は動きがあるのでアニメーションの枚数が増えがちですが、この作品はそういうことではない。
それでも芝居が丁寧に描かれているので必然的に枚数が多くなったのだと思います」と語っていた。
また劇中の美術も非常に魅力的に描かれており、それに対し伊藤は「滝口さんは新海監督の『天気の子』などを手掛けています。
この作品では間違いなく“クスノキ”がキーポイントになります。
これに興味を持って描いていただける方がいいなと考えいて、滝口さんが乗ってくださりました。
最初の美術ボードが上がってくるまでに相当な時間を要したのですが、ご自身でロケハンに行き試行錯誤を繰り返してくださった。
時間はかかりましたが、おかげで素晴らしいものが上がりました。全編を通して本当にご尽力いただきました」と気持ちを表していた。
続いてキャスティングの話に及ぶ。
本作はメインキャストに俳優を起用しているが、それに対し伊藤は「自分が担当する作品は、わりと実写の方にお願いすることが多い。
主人公の玲斗を演じた高橋さんは長編アニメーション映画で主演を務めるのは初めてですが、
非常に前向きに役に取り組んでいただきました。ありがたいという思いしかないです。
天海さんは原作を初めて読んだ時から、『千舟は天海さんだ』と思っていました。
既にアニメーションの声優もいくつかやられていますが、実際にアフレコをした後も間違いはなかったと思っています」と
玲斗役・高橋さんと千舟役・天海さんへのキャスティングについて話す。
続けて、「齋藤飛鳥さんと宮世琉弥さんはオーディションで・・・というと
『実際にはオーディションじゃないでしょう』と言われがちですが、本当にオーディションをしました。
ここは声を大にして言いたい…(笑)特に齋藤飛鳥さんご本人は完成披露試写会でも『手ごたえが無かった』と仰ってましたが、
キャラクター性が合っていてとても上手でした」と優美役・齋藤さんと壮貴役・宮世さんのオーディションについても触れた。
藤井も「皆さんそのキャラクターにしか見えなくなるほどぴったりですよね。作品に合っていたと思います。
高橋さんが実際にアフレコ収録重ねながらどんどん成長されている様子も、玲斗の成長と合っていてまたそれも良かったと思います。
優美は少し気が強いキャラクターではありますが、嫌味が無くてとてもはまっているという声が多いですね」と、
公開に先駆け行った試写会での感想の声も交えて話し、若林からは「『この皆さんなら実写でも見てみたい』と思ってしまいますよね。
声だけではなくキャラクターそのものを体現している方々だと思います。
大沢たかおさんは、演じられているキャラクター自体は普通の“おじさん”に見えるのですが、
この人にも“秘密”があって、大沢さんが演じられることによってミステリアスさが加わります」と寿明のミステリアスさにも言及した。
また今回変わった収録方法も取り入れており、「今回音響監督も兼任し、普通ではあまりやらない方法で収録もしました。
アニメーションを作っている時にいいサプライズやアクシデントが起きることは少ないのですが、
高橋さんと天海さんの“あるシーン”のアフレコ中に少しだけ物足りなさを感じたことがありました。
そこで、実際の役者さんですから、向かい合って台詞を言ってもらったらよいのではないか?と思って実践したんですね」と
伊藤は普段あまり行わない手法でアフレコしたことを明かし、それが本編にいい影響を与えたという。
「千舟の一人称「わたくし」を天海さんが一か所だけ「わたし」と間違えて読まれました。
台本のセリフとは違うのですが、もしかして素の心が現れたからかもしれないと思い、「台本とは違いますが良しとします」と言ったら、
背後から「僕もこちらの方がいいと思います」という声が聞こえて。それが、原作の東野圭吾さんで…(笑)
「やった!」という気持ちでした」と貴重なエピソードを披露した。
そして主題歌「傍らにて月夜」の話題に。
若林が「本楽曲はUruさんに歌唱いただき、back numberさんに作っていただいた楽曲」と改めて紹介。
“特別な組み合わせがいい”という話をしていたという伊藤は、
「Uruさんのデビューにまつわる話(Uruがback numberの曲をカバーしYouTubeにアップしていた動画がデビューのきっかけの一つとなった)をお聞きして、
凄く良いなと感じました。楽曲制作の前に直接清水さんと話をする時間も作っていただきありがたかったです。
やはり映画の最後に流れる楽曲なので、作品と合っていてほしい。
エンディングの前の感情も説明した上で、作っていただいた。本当にあっている楽曲になっています」と楽曲の制作秘話を明かした。
最後に本作について。
若林が「間もなく公開となる本作ですが、私も本編のチェック中に泣けてきて見られないこともありました」と制作段階で涙が溢れてしまったことを明かすと、
伊藤と藤井は、“それはちゃんと見てください(笑)”というツッコミを入れる場面も見られた。
さらに藤井は、「でも、全編通してこだわって作られた作品です。昨今流行っている作品とはテイストが少し異なりますが、
どの年代の方が見ても楽しんでいただける作品になっていると思います。
劇場の大きなスクリーンと音響で見ていただく意味がある作品になっています。是非、劇場でご覧ください」と続けた。
伊藤は「言いたいことは全て言われてしまいましたが…(笑)
是非、二度三度見ていただけるとありがたいです。宜しくお願いいたします」と会場のお客さまに思いを伝え、トークショーは終了した。