NINJA KAMUI

朴監督インタビュー「手書きの気持ちよさ、CGの精密さ、実写の持つ重さとカメラアングルなどそれぞれの良さを融合させることを意識」&10話シーン先行公開!



朴監督インタビュー公開


Q.アニメ「NINJA KAMUI」の制作に関わられた経緯、先んじて配信が始まっている北米の反応をお聞かせください

Sola Entertainment様より、海外配信向けに新しいニンジャ作品を作って欲しいとの依頼があり、初めはゲーム原作でのお話を頂いたのですが、作りたい作品像をお伝えしたところ、それはもうオリジナル作品でしょうとなり今の『NINJA KAMUI』が出来上がりました。北米での反応に関しては、リアルタイムで追いかけられた訳ではないのですが、それでも多くの反響を頂いたことは耳に入ってきました。新しいスタジオを立ち上げて初のシリーズ作品なので本当にありがたい限りです。


Q.本作はオリジナルストーリーとなりますが、どのように物語を組み立てていかれたのでしょうか?

自分が思うニンジャ作品を作るならばこの人達と一緒にと考えていた方達を集めて組み立てて行きました。まず、シリーズ構成と脚本は、多くの作品でお世話になった村越繁さん。そして、キャラクター&スーツデザインには、『アフロサムライ』の岡崎能士さんにお願いしました。脚本作りはコロナ禍だったこともあり、リモート会議を重ねて練り上げました。



Q.「ヒガン」のキャラクターについて、内面・映像ともにこだわられた点、意識されたことなどお教えください

ヒガンに関しては、いわゆる既存のニンジャ作品と一線を画したく、黒装束で顔を隠してと言うわかりやすい記号を廃しました。抜け忍、復讐者とキャラクター性をデザインで表す部分に関しては皆でアイディアを出し合い岡崎さんが昇華してくださいました。例えば顔を隠す部分に関しては、テクノロジーに置き換えて完全に顔を変えてしまうと言う形で表現しました。第一話まるまる主人公とその家族の顔は偽装された状態。そして復讐者としてその偽装を解き決意を表すといったストーリーと感情のラインに乗せた演出もこだわったところです。また、ヒガンは古来からの忍びの技と体術で戦うものとして描き、ヤマジ率いるハイテクノロジーニンジャとの対比を作りました。平穏な日常を壊され、家族をも殺された復讐者と言うシンプルな軸はぶらすことなく、各話の吸引力を上げるためにアイディアを尽くした末に完成したのが『NINJA KAMUI』です。



Q.ヒガン以外のキャラクターで朴監督が気に入っているキャラクターがあればお教えください

特に気に入っているというキャラクターというのは難しいですね。それぞれにアイディアを出し合って作り上げたキャラクターなので。例えばザイに関して言えば、演じて下さった中村悠一さんと音響監督の藤田亜紀子さんと三人話し合いながら作り上げていったという部分では気に入っていますし、ヤマジに関しては、当て書きでは無いかと言われるくらいに演じて下さった山路和弘さんとイメージが重なります。こちらに関してはご本人にヤマジと言う名前をお借りしますがよろしいですか?と許可をいただいたほどです。そして、忘れてはならないのがマイク。スタッフの間でも特に愛されたキャラクターで、作品内で歌を歌うシーンがあるのですが、そこは副監督の三浦唯さんが歌う姿と重なり、ゲストキャラ&プロップデザインの佐野誉幸さんと共によく真似をしてましたね。



Q.アクションシーンの迫力ある映像美が話題になっていますが、映像面のアプローチで意識されたことなどありましたらお教えください

各話数に必ずアクションの見せ場があるように、シナリオの段階から考えて構成しました。また作り方ということでのアプローチに関しては、手書きの気持ちよさ、CGの精密さ、実写の持つ重さとカメラアングルなどそれぞれの良さを融合させることを意識しました。いままで培ってきた技術と経験を、また新しい人たちと組んでやることで更に表現の幅を広げる。そういったことに挑みたく、最終話ではハリウッドのアクションチームにヒガンとヤマジの最終決戦のアクションを実写で撮影してもらいアイディアをいただきき、それをアニメーションに落とし込みました。



〇本作をご覧になっている方へ向けてのメッセージをお願いいたします

クライアントも放送も全て海外発という珍しい形で始まったこの『NINJA KAMUI』と言う企画。当初海外でしか観ることができないのではと思っていたので、こうして日本で放送していただきありがたい限りです。そして、多くの皆様に楽しんでいただけていることが何より嬉しいです。『NINJA KAMUI』の構造は至ってシンプルに王道の復讐劇となります。主人公のヒガンに寄り添い見るもよし、もう一人の主人公マイクに視点を置くもよし、ただアクションを楽しむもよし、それぞれ受け取る方々が好きなように楽しんでいただけたらと思います。最後まで見届けて頂けましたら幸いです。あ、最後にタイトルに関してはスタッフ一同最後まで抵抗しましたからね(笑)



解禁された10話シーンは、まだヒガンとマリが忍びの里にいた頃の回想シーン竹林の中で修行をする「死神」と呼ばれているザイにマリが優しく語り掛けるシーン。ザイは仲間となる前からヒガンの存在を気にしていることがうかがえる、ザイの心情をうかがい知ることができる大切なシーンとなっている。


10話は9月2日(月)24時よりTOKYO MXにて放送

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