風を継ぐもの

すぎアニ・エキスポ2026『風を継ぐもの』スペシャルステージ オフィシャルレポート

「すぎアニ・エキスポ2026」にてスペシャルステージ開催!
監督の河村友宏、脚本の成井豊、プロデューサーの山田周(副長YD)が登壇いたしました。
以下オフィシャルレポートをぜひご覧ください。



アニメ制作会社が集まる杉並区の特別イベント「すぎアニ・エキスポ2026」。
本作のアニメーション制作を手掛けるドライブのトークショーと題し、『風を継ぐもの』スペシャルステージが開催となった。

予告映像が流れ、監督の河村友宏、脚本の成井豊、プロデューサーの山田周(副長YD)が登壇。
作品のコアを担う三者が揃い、話題は早速制作過程のエピソードへと移る。

生きること(命)の大切さをメインテーマに据えた本作、「コロナ禍などを経て日常は当たり前ではないと痛感したことが企画の出発点だった」と語る副長YD。アニメ制作に携わることが初となる成井は、「(アニメ制作は)やりたかったことなのでとても嬉しい。新選組のファンだから、”自分が選ばれた”という気持ちです」と喜びをあらわにした。脚本を書くうえで、辛いとは思わなかったという成井。自分一人で書いていくのはなんだか受験勉強みたいだけれど、監督やプロデューサーから様々な意見やアイディアをもらったり、ディスカッションをすることが面白かったと振り返った。



初期のキャラクターデザインがスクリーンに投影されると、実は本作は子ども向けのアニメーションとして始まった企画だということが語られた。対象年齢が広がっても、どこかにその当初の柔らかさが残っているのが味だと表する副長YD。立川迅助の初期デザインも公開され、併せてデザインを手掛けたキャラクターデザイン担当の蝦名芙美からのコメントも。異なる性格のイメージで4パターンを用意したという。

京都でのロケハンにて壬生浪士組屯所を訪れた際の写真の後には、映像制作の工程がわかるパイロット映像が投影された。映像を作るにあたり、絵コンテを作らずビデオコンテを用意するという河村監督。劇場先行版・TVアニメーション版はここからさらにブラッシュアップされているということで、完成版を楽しみにしてほしいと呼びかけた。



初めてアニメーション制作に携わるため、新鮮なことばかりだったという成井。「動いた!」「しゃべった!」とすべてに感動していたが、制作現場ではそのような素振りはあまり見受けられなかったと、少し寂しそうにこぼす河村監督と副長YD。そんな二人を横目に「だって(アフレコの時に)全部いいのにいちいち聞くんだもん!(笑)」とおちゃめな一面が垣間見られたが「登場人物がみんなそれぞれ一生懸命で、悪く見える人物でも純粋に応援できるんです」と語る成井氏。それを聞き副長YDは「完全な悪者は描かないようにしよう、と他の歴史ものの作品で河村監督とご一緒したときに話していたんです」とし、さらに「そのようなことを成井さんとは事前にお話しをしていないのに、阿吽の呼吸で通じていたのは感動した」と噛み締めた。

まだまだたくさんの制作秘話を聞きたいところだが、クロストークはここでいったん終了。そしてなんと本編の未公開映像がここで初公開されるという紹介が入り、制作陣の話に聞き入っていたお客様の中にも、今一度姿勢を正す方が多く見られた。映像の内容はお楽しみ……ということで、映像が終わり改めて劇場先行版・TVアニメーションの情報が投影されると「劇伴も、音もいいからね」という話題に。つばぜり合いのシーンも実際の日本刀を使用して音声を収録しているという事実が語られると、客席からは驚きの声があがった。

TVアニメーションの放送に先立ち、12月24日に刊行が決定した小説「風をつぐもの」が紹介されると、成井は「もう一度はじめからこの作品を味わうことができた」と執筆過程を反芻する。「他のひとにやらせなくてよかった(笑)」とはにかむ笑顔から、本作品への深い愛情と情熱が伝わった。



名残惜しくも、あっという間にイベントは閉幕の時間に。副長YDは「厳しい時代は続いているけれど、本作が皆さんを勇気づけられるものになったら」と思いを込め、成井は「アニメーションという大きな国へと引っ越してきた感覚。こんなに素晴らしい作品に携われることができて感謝します、ぜひ一人でも多くの方に観てほしい」と熱い気持ちを語った。最後に河村監督は「劇場に足を運んでいただけたら嬉しい。劇場先行版のあとの立川迅助がどのように歩んでいくのかも楽しみにしていてほしい」と締めくくった。
それぞれの思いや情熱がふんだんに込められた本作。ぜひ劇場先行版とTVアニメーション版との双方で深く味わってほしい。

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