LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」at KT Zepp Yokohama/Zepp Namba(OSAKA)Blu-ray&DVDリリースイベントレポート

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」at KT Zepp Yokohama/Zepp Namba(OSAKA)Blu-ray&DVDのリリースイベントが11月23日(日)に都内で開催された。登壇者は、守乃まも(後藤ひとり役)、大竹美希(伊地知虹夏役)小山内花凜(山田リョウ役)、大森未来衣(喜多郁代役)、山崎彬(構成・演出/舞台では脚本・演出)。

今回は、舞台やライブイベントのような “役”としてではなく、キャスト皆が素のままでのイベント。告知配信や振り返り配信は素でおこなっていたが、こうしてファンの前に素の姿で立つのは初めての機会だ。

夕方から始まるイベントの前に取材や撮影などをこなし、合間には控室でわいわいとおしゃべりに花を咲かせるキャストたち。かわいらしくスタイリングしてもらったヘアメイクや、それぞれの演じるキャラクターのイメージカラーを差し色にした衣装に笑顔を見せ、仲良く一緒に写真を撮るシーンも。守乃のSNSでおなじみブレブレ写真は、スマホのバースト連写でおこなっているようだ。



イベント開始時間前のリハーサルの前後には、控室でなごやかに談笑したり、脚本・演出の山崎彬も交えて記念撮影をしたりと、ほどよい緊張感を持ちながらもイベントが楽しみで仕方がない様子が見られた。



開始時刻になり、場内からの大きな拍手に迎えられてまず登壇したのは山崎彬。配信イベントでも司会進行役をつとめる機会が多いためか、客席にも顔が知れ渡っているようだ。「『舞台ぼっち』をまとめし神です」との山崎のジョークに笑い声が上がる。生配信を見ている多くのファンにも伝わるように会場も盛り上げていこうと山崎が呼びかけると、客席も、劇場を思わせる大きな拍手と歓声で応えた。



続けてキャストの4名が山崎の呼び込みで登壇し、まずはひとことずつ自己紹介。意気込みを聞かれると「本日はご来場いただきありがとうございます。こんなにたくさん来ていただけるとは思っていなかったので、とてもうれしいです。みんなで楽しい時間にしましょう」と大森。続けて小山内は「扮装なしで皆さんに生でお会いするのは初めてなので、変な緊張感があるのですが(笑)、いつもどおりの私たちが見られると思うので、最後まで楽しんでいってください」と笑顔を見せる。

客席を見渡した大竹は「すごい!いっぱい!」と驚きの声を上げ「いっぱい来てくださってうれしいです。今日は楽しみましょう」と呼びかける。最後に守乃は「こんなに集まってくれてありがとうございます。こんな素晴らしいイベントに素晴らしい人々が集まっています。こんな素晴らしい日々はないだろうそう思って今日も生きていきます皆さま楽しんでください」と、視線をさまよわせながらもしっかりとあいさつ。イベントは順調な滑り出しを見せ、エコーを響かせた守乃のタイトルコールでまずは「舞台ぼっち Zeppライブを振り返ろう!」のコーナーへ。
6月22日(日)にKT Zepp Yokohama、6月30日(月)にZepp Namba(OSAKA)で開催されたライブは、劇中曲を演奏するだけではなく、舞台から派生したライブとしての演出と、原作ファンも納得のセットリストで開催されたイベントとなった。ライブ以来会っていなかったという4人だが、守乃と大竹は「牛タン…」「あっ、牛タン…」と2人で会った日があった様子。しかし数か月ぶりであっても、会った瞬間に「いつもどおりに(小山内)」なれる4人の絆はさすがのひとこと。山崎からも「僕もその空気に混ぜてくれる」とコメントが。しかし「(山崎も入れて)5人で撮影をした後、キャスト4人でまた撮りなおしている」との山崎からの告白に、場内とキャストたちから笑い声が上がった。

「2024年の公演(LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」PART Ⅰ STARRY/PART Ⅱ 秀華祭)の公演後に、Zeppでライブをやると聞いたときの気持ちは?」との質問に、大竹は「やば! 本当にやるのかな?」と驚いたと。初演は2023年。楽器を演奏できることを条件としてオーディションで集められたメンバーではあったが、舞台作品である以上は、演奏を合わせるだけではなく芝居にもしっかりと挑む必要があった。そこでファンの心を掴み、2024年の再演・続編へと至ったのだが、それでもやはり「Zeppでライブ」となれば大きな驚きがあったのだろう。「ここまで来られましたね…という感じでした」と大竹は笑顔の中にもしみじみと口にした。

小山内も「みんなで『ライブはやりたいね』と話していたんですけれども、3年前の私たちを思い出すとここに立てるまで成長したんだなぁとうれしかったのを思い出します」。大森は「やったぁ!」と思い、守乃は「そんなことがあっていいのか、がんばらねば、でもひたすらやばい…やばいって」。と、もともとバンドの経験のある2人は“やばい”、そうではない2人は“うれしい”が先に立つという比較が見えた回答となった。

続いては「今作(Zeppライブでの)のお気に入りシーン」。大森からは、フリー(アドリブ)のトークシーン。小山内は、ずっと演奏してみたかった「ひとりぼっち東京」。曲の入り(歌いだし)がかっこよく「やっぱりかっこいいなぁ」と実感したとのこと。小山内は「結束バンドさんがライブで演奏しているのを見て、私たちもやってみたい! と思っていたので、Zeppで披露できてよかったです」と原作への愛と強い思いを語った。

大竹は「星歌お姉ちゃん(演:河内美里)が出てきたシーンと、『ギターと孤独と蒼い惑星』の前」。そのシーンについて山崎は「原作にない完全にオリジナルなシーンを書かせていただくのは初めてで」「何かが降りてきた(笑)」と語り、ひとりの夢の中という設定で進められたシナリオ(脚本)ならではの、オリジナリティのある「舞台作品×ライブイベント」になった裏話が披露された。最後に守乃が「お気に入り…お気に入りのシーン…」としばらく視線をさまよわせながらも「…皆さんがお気に入りです」とはにかむと、場内はあたたかい笑いに包まれた。

続けて「セットリスト」について。今回のZeppライブのセットリストは、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中バンドである結束バンドが2022年12月に発売したアルバム『結束バンド』のセットリストにならっている。そのため、舞台で演奏した曲の他にも、ライブで初披露となった曲も複数あった。そのため、「ひとりぼっち東京」の歌い始めでは「顔をおおって天を仰いでいるような人も」(山崎)客席には見られた様子。守乃も「こんな豪華な思いができるとは思いませんでした」と言葉を添えた。

最後に山崎は「どう期待を超えていくかを考えたとき、迷いなくあの順番で。原作、アニメ、声優さんたちの結束バンドがあって、そこから舞台があってライブをやらせていただいて。そこで、(このライブで)もう1度あのアルバムを聞いたときのことを思い出してもらえるようなライブにしたかった」と、原作とアニメへのリスペクトを語った。ファンが何を求めているのかを重視し、期待に応えたいとしている山崎ならではのこだわりのセットリスト+演出であった。

続いては「今だから言える稽古・本番中の裏話」。大森からは早速「大阪の時のケータリングがおいしかったです!」と、食の宝庫である大阪での思い出が。特に印象的だったのは、たこやきと豚まん。小山内のお気に入りは塩味のたこ焼きで、買って来たものが並べられているのではなくホットケースで加温されていたとのこと。「みたらし団子もありました」(守乃)、その他、大阪公演の日に誕生日を迎えた大竹のために、スネアドラムを模した誕生日ケーキも用意されていたということだ。



小山内は「本番のウィッグを被る前の、ネット(頭にかぶるウィッグネット)状態でリハーサルをしたのがシュールでした」。「まもの顔がイケメンだから、ラッパーみたいになっていて」(大竹)「あ、今度(SNSにその写真を)上げます…」。さらに守乃は、ネットだけ状態の自分を確認しながら「坊主バンドいいな…」と思っていたと告白。イケメン坊主ネット頭守乃の写真が上がる日を楽しみに待ちたい。

次に「制作スタッフが選ぶ、本編プチみどころポイント」。これは、
守乃:『ギターと孤独と蒼い惑星』演奏中の一瞬の表情
大竹:『ひみつ基地』コーラスマイク引き寄せから流れるようなコーラスワーク
小山内:『星座になれたら』ぴょんぴょんキャンセル
大森:『忘れてやらない』決めウインク
映像を見ながらの振り返りとなり、はじめに守乃からは「これは私(ひとり)の夢の中なので、演奏がすごくうまくいっていて」劇中、STARRYでの初ライブでこの曲を演奏したときにはボロボロになっていたのが、(夢だから)うまくいっている…うれしい、という表情だと解説が。

舞台版では、台風で観客はほとんどいない、初めてのライブでの緊張…それらが重なって本来の力が発揮できていない演奏を演技でおこなうキャストたちの姿が記憶に残っているファンも多いだろう。誰もが舞台を観ている観客でありながらSTARRYの来客でもあるために、演奏中は盛り上がれない。舞台を作る1人になれた「舞台ぼっち」ならではの名シーンをライブに取り入れた、印象深いシーンでの表情だ。

大竹の「コーラスマイク引き寄せ」は、制作スタッフによると大阪公演ではマイクが少し遠くに設置されてしまっていたにもかかわらず、引き寄せてスムーズにコーラスに入っていたのがかっこよかった、とのこと。しかし大竹は「忘れてました」。ここで山崎から、「役としてお芝居をしながら演奏をするのは難しい?」と質問が。大森は「元々の自分の演奏が(確立されて)ないから、これしかない! ので」それほど演奏にこだわりはなく、スムーズにできたとのこと。守乃は、下を向いて演奏する後藤ひとり役なので「演奏に集中できるのでちょうどよかったです」との談。小山内は「“私”のままでこのZeppに立ったらとんでもないことになってしまうので、かっこよく演奏できるリョウちゃんでよかった」とコメントした。



小山内の「ぴょんぴょんキャンセル」は、24年の公演で曲中にひとりがジャンプしているのを見て今回のライブでもやってみようと思ったものの、タイミングを失って「やるのか? やらないのか?」という空気になってしまったと。大森の決めウインクは、公演と練習を重ねてウインクが上手になった大森をみていたスタッフが「最後は正面で撮ってくださいね」とカメラマンさんに頼んでいたとのこと。これを受けて「みんなはウインクできる?」と山崎から振られたキャストたち。配信カメラに、場内左右にとバチンバチンと大サービスの大竹、「得意です!」とチャーミングなウインクを見せる小山内、練習の成果を披露する大森。そして守乃は「無理、いやだ、許してください! …いつか見せます…」と消え入りそうな声で。代わりに山崎が特大のウインクを披露し、この日一番の大歓声と拍手が客席から上がった。



ここでZeppライブの振り返りは終わり、続いて「3年間の絆を試す時! 舞台版結束バンド王選手権!」のコーナーに。2023年、2024年の公演、2025年のZeppライブと、苦楽を共にしてきたメンバーならお互いのことを分かっているはず…? というクイズが出題されるという。
第1問は「守乃さんが(ひとりとして)演奏している時に一番大事にしていることは?」
大森「ミスらない」
小山内「みんなと音を合わせる」
大竹「ノミジャンプ」
これらに対して守乃からの正解は「炎上しないように」。3人の回答どれも合致はしていないものの、「ミスったら炎上」との守乃の判断により大森へ1ポイント。

第2問「大竹さんが今一番ハマっているものとは?」
大竹「スンスン」
小山内「パペットスンスン」
守乃「(スンスンのイラスト)」
全員一致でパペットのスンスンとの回答が出たが、正解は「スンスンの歌を大きな声で歌う」こと。これは全員に1ポイント。

第3問「小山内さんが結束バンドの曲で一番好きな曲は?」
舞台で演奏した曲、ライブで演奏した曲、さらに「結束バンドの曲」とすると、まだ演奏していない曲も…? と幅が広がってしまうためにヒントとして「今回のZeppライブで披露した曲の中にある」とのこと。
大森「ひとりぼっち東京」
大竹「ドッペルゲンガー」
守乃「ひとりぼっち東京」
2人が挙げた「ひとりぼっち東京」は、この日小山内から名前が出たタイトルであり「ドッペルゲンガー」は「何か好きそう」(大竹)というふんわりした理由だったが、正解は「フラッシュバッカー」。正解が出ないメンバーたちに「ちょっとみんな?」と小山内から突っ込みが入った。

第4問「大森さんが一番好きな四字熟語は?」
ヒントとして「存在しない四字熟語」とのこと。大森からのヒントは「私がいつも考えていること、私が幸せになること」。この世に存在しない四字熟語を、大森のことをよく知った上でひねり出す…この難問に3人は頭を抱えながらフリップにペンを走らせた。
小山内「牛舌(牛タン)定食」
大竹「焼肉菓子」
守乃「黒毛牛舌(牛タン)」
と、全員から食べ物いっぱいの回答が。しかし正解は「満腹最高」。満面の笑みで幸せそうにフリップを掲げる大森が最高ポイントを取得し、優勝の座も得たクイズコーナーとなった。

イベントもお開きに近づき、ここで山崎から「この3年の歩みをまとめた映像を」と紹介が入る。2023年の初演、2024年の再演+続編、そして2025年のZeppライブ。それぞれの公演の名シーンをぎゅっとまとめながら、演奏・歌唱やヘアメイクの進化・変化などもよくわかる構成の映像がスクリーンに映し出される。2023から2024、2025、そして西暦の数字が2026へカシャリとスライド。
「2026年2月 本公演上演決定!!」
の告知が出ると、大歓声と拍手が場内から上がった。タイトルは【LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」2026 RE:boot】「再構築、作り直す」の「リブート」の名の通り、2024年の公演ではPART Ⅰ STARRY/PART Ⅱ 秀華祭と2本に分けた舞台を再構成し、1本にまとめた新作の舞台にするということだ。



次回でも脚本・演出を担当する山崎からは「ダイジェストみたいにはなりません。新作として、今までに見たことのないようなものに。ストーリーとしては、おさえるところはおさえます。新しい形の『舞台ぼっち』を見てもらえたら」「今まで(皆さんの)期待を超えてきたと思っているので、その期待を超えつつも応えられるような作品にしたいです。仲間として一緒に観に来てもらえたら」と力強いコメントが。

小山内も「Zeppライブを経て我々の演奏も上達していると思いますからライブも楽しんでもらえると思います。また、アニメをまとめた完全新作のような舞台になると思います。我々の4年目、集大成となる舞台です。悩んでいる暇はありません、ぜひ劇場へ足を運んでください!」と、場内と配信画面に笑顔で呼びかけた。大竹は「Zeppは2日間しかできなかったので、もっとやりたい! という間に終わっちゃって。また皆さんと一緒になって盛り上がれると思うと」と、楽しみな様子を見せた。

最後にひとことずつ挨拶を求められ、まず大森から「何回も公演を重ねてきて、本当にたくさんの応援してくださっている方がいて。無事にZeppライブも終わって、また新たに来年公演ができることが決まって、うれしい気持ちでいっぱいです。この公演も成功させられるように精いっぱいがんばるので、これからも応援よろしくお願いします!」。続けて小山内は「今回のBlu-ray&DVDを何度でも見ていただいて、あの時の興奮などを思い出して楽しんでいただけたら。そして来年、また『舞台ぼっち』が帰ってきます。引き続き応援よろしくお願いします」

大竹は「また舞台で皆さんに会えるということで。すごく楽しみなのはもちろん、長く応援してくださっている方がいるからこそ、皆さんの喜んでいる顔が見たい一心で臨む予定です。必ず楽しませるので、ぜひまた来年も一緒に楽しみましょう」、守乃は「今日はこんなに寒い中、わざわざお越しいただきありがとうございます。Blu-ray&DVDを擦り切れるまで見てくださいね。そして棚に大切に保管してください。そして来年、RE:boot…かっこいい…来年のことがもう決まってる…。“6年生を送る会”のような気持ちで見に来てくれたらうれしいです。また皆さんとこうして会えるのがうれしいので、絶対に、でも無理なく来てください。後悔はしないと思います。この神(山崎)もいるので、よかったら見に来てください。これからもどうぞよろしくお願いします、今日はありがとうございました!」。



最後に山崎から「こういう挨拶の時は、よく『皆さんのおかげです』と言いますが、本当にそうです。皆さんが僕たちにありがとうと言ってくれるのと同じように、僕たちもありがとうと思っています。この輪がどんどんつながっていくように、一緒に盛り上がってもらえればそこからまた次の未来につながっていくと思います。今日のイベントもこれからの公演も、そして彼女たち個人個人のことも応援してくださっているのも伝わっています。僕への声援もくださっていましたからね(笑)。この思いが広がれば、きっと世界も平和になると思っています。皆さんで、これからもいい時間を過ごしましょう」と締めて、イベントは終了した。



次回作となる【LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」2026 RE:boot】は、2026年2月7日(土)~2月23日(日)まで、東京新宿・THEATER MILANO-Zaにて舞台とライブイベントの2本立てで上演予定。舞台だけの日、ライブイベントだけの日、そして千秋楽の日は昼公演で舞台、夜公演ではライブイベント、など変則的なスケジュールになっている。詳細は公式サイトをご確認の上、申込みを。

取材・文:広瀬有希

★《オフィシャル先行受付中》イープラスチケットサイト:https://eplus.jp/bocchi4/
★舞台公式HP:https://bocchi.rocks/stage/

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